5号館B:道具の世界(茶碗以外)

この5号館Bでは抹茶碗を除いた茶道具類の収蔵品を紹介していきます。

 

 

 

 

 

 

 

 


      茶杓(tea SPOON/ladle)

随流斎写し茶杓 銘:翁

龍源院住職 喝堂師 作

 胡麻竹(錆竹)を素材にした茶杓の様です。

竹の寿命も後少しとなり表面に浮き出てくる胡麻柄から銘「翁」とされたのかな?と思います。

残念ながらまだ一度も使ってません(w)。

 

 紙箱

 作品情報

 

桐の共箱

 共箱蓋裏

 

 

茶杓入れ

花押

胡麻肌の茶杓

 

 



      茶入れ(CHINA tea container)

肩衝茶入 洛東定一作

釉薬が肩から腰に流れるように美しい景色になっている肩衝茶入れです。

蓋は象牙、仕覆は西陣織「五色間道」と書かれた栞が付いていました。

高台には糸切跡と作者印が彫られています。

茶入れ寸法

直径:59㎜

高さ(蓋込み):89㎜

 

 

 

 

桐共箱

 

 

仕覆

高台裏


高麗青磁茶入れ 池順鐸(チ・スンテク)

高麗青磁に鶴の舞の象嵌模様の茶入れです。

池先生の作品ということで14年前に購入したものです。

茶入れ寸法

径:70㎜

高さ:65㎜

高台内に池の印があります。

共布に包まれていましたが写真を撮り忘れました(笑)。

後日アップということでご容赦を。

 

 

桐製共箱

蓋書

 

 

茶入れ蓋の柄

茶入れ内部

高台裏



      棗(Wooden tea container)

七宝蒔絵(梅)中棗

外は下地の板目を景色として残すようにアンバークリアーの漆の上、蒔絵で梅の樹木を配した中棗です。2月のお茶で使えそうですね。


中棗 銘:夜桜

光沢のある美しい黒漆の棗の表面一面に隠し柄で桜がちりばめられています。

あえて暗闇の中の桜という趣向なのでしょう。

蓋を開けると裏には艶消し黒に金彩の花びらが描かれています。

4月のこの時期にぴったりの棗でしょう。

外箱

桜の隠し模様

 

棗内側

 



      香合(incense container/Case)

埋木香合 銘:浜松 爼人作

砂浜に埋もれていた木材なのでしょうか、非常に重く固い木片をカットして無造作に真ん中から二つに割った香合で、正面に金彩絵で浜松が描かれています。作品としては古いものではないと思いますがなかなか発想が素敵な香合ではないでしょうか。

作者については自身でも調べてみましたがわかりませんでした。

 

桐共箱

 

 

 箱書き

 

 

香合本体1

香合本体2



      銘々皿(small individual plates)

銀座和光製 銀仕上げ銘々皿(5客)

<編集中>

円形の銀メッキ金属製プレートに全面叩き出しの凹部を散らして端部を折り曲げ6角形の銘々皿に仕上げたものと思います。中央にアルファベットのエース(A)のデザイン模様があしらわれています。

専用ケース

 

ケースを開けると

栞:お手入れ方法

叩き出模様



         一行書き・短冊

短冊

茶室/茶席に飾る短冊です。

古い桐箱に9冊入っていました。

これは15年以上前に縁あってオークションでお世話になった方の御祖母の方のものとのことでした。

大勢のお弟子さんをお持ちだったお茶の先生のだったとのことで、お亡くなりになって後、幾つかお譲り戴いたものでした。

納戸の整理中に見つけ当時のいきさつを思い出して、久しぶりに箱を開けてみました。

短冊自体も相当年月が経ったもののように見えます。

落款が押された一枚以外は句がしたためられただけのもの、裏側に肩書き?が別途入れられたものとか色々です。

みな相当の達筆の方(方々)の書で印刷ではないように見えるのですがこういった方面の知識にはとんと疎く何が読まれているのかすら判然とせず........(何のためにいただいたのか:笑)。

ただ推理小説好きの自身の見立てとして

 ①裏書と表書きに書の力量差があるように見受けられること

 ②表書きの字体はすべて異なっているのに裏書は同じ方がされている様にみえるご本人からいただいた短冊の裏側にその作者/肩書きを別の方が記載したのでは(でも権中納言.....云々とかいわれても......)と推理している次第。

印刷だったら話も簡単なんですけどね。印刷ものに裏書するかも合点がいかないところです。

どなたか内容や筋がお分かりの方がいましたらご教授いただけるとありがたいです。

 

まあ、掃除をしながらいろいろと楽しい時間を過ごさせてもらいました。

 


     菓子器(Sweets Bowl/Container)

蒔絵花丸文3脚足丸重2段菓子器 

平安龍光堂

煤けた時代箱に青い布に包まれてしまわれていた二段菓子器です。

黒漆仕上げに金蒔絵で胴部や蓋表に笹、蘭や菊の花絵があしらわれています。

菓子器内部と蓋の一部漆にかすかに擦れ等がありますがほぼ未使用に近い状態の様に見えます。

箱の蓋板表には「花の丸 菓子重」との墨書き、裏には「平安龍光堂 造」と同じく墨書きがあります。

直径:185mm

高さ:160mm

購入時大正初期の京漆器とのことでした。

 

木箱(共箱)

中身

 

 

蓋表の墨書き

蓋裏の墨書き

2段菓子器

上段内部

下段内部

上段内部のキズ

蓋の擦れ



赤絵鉢 永楽和全作

京の菓子匠鶴屋吉信の包装紙を張った桐箱に麻縄を綴じ紐代わりにした古めの木箱に保管品を墨書きした木箱が棚の奥から出てきました。

購入記録を見ましたところ長年お茶の先生をしてらした方から頂いたという品を骨董店経由で手に入れたものでした。使い込まれている赤絵鉢で絵も相当すり減っています。

ここまで使い込まれていると本物だとしてもあまり価値はないですね(笑)

永楽の陶印が高台内に明瞭に押されていますがまだ確認できてません(というか陶印はさほど決定打にならないとのことです)

また紙押さえてる振りして手出してる、チビ子が。

撮影日時は設定ミスで初期値リセットがかかってしまっています。

 

設え箱

木箱横の張り紙

 

 

木箱内

桃色縮緬布で

包まれた器

 

縮緬布をあけると

高台

永楽陶印


赤絵鉢 永楽和全作

こちらも図柄違いの永楽和全の赤絵鉢ということで関西の骨董屋さんから購入しました。

前の持ち主の方が大事に保管されていたらしくまず未使用の様です。

見込みには龍、器胴部の4つの窓にはそれぞれ花の絵があしらわれています。

 骨董屋さんは「これだけは輸送時に保険をかけさせていただきます」と言われました(笑)。

図柄は異なりますが似た器が春鼎庵という古美術店のHP

http://shunteian.com/器百選/永楽和全 赤絵鉢

にも掲載されています。

 

絵柄の筆運びとか、線にひき方とかは似てるんですけどね~。

 

古い保管用木箱

蓋を開けると......

器高台裏

永楽の陶印

 

胴絵柄1

胴絵柄3

胴絵柄2

胴絵柄4



茶箱(茶道具一式)

茶箱(携帯茶道具一式:茶箱手前用)

古裂の仕覆に包まれた薄く漆をかけた桐箱の中に茶碗、棗、茶筅筒、茶巾筒、振出しに象牙の茶杓にツゲ?の香合が一式が入っていました。懐紙は骨董屋さんが好意で入れてくれたものでしょう。

茶碗、棗と茶杓の仕覆は同じ古裂で仕立てられています。

振出と茶巾立ては同じ柄の一対もののようです。

茶碗は白天目で肌一面に細かな貫入が散りばめられた美しい器です。

棗も天然木に黒漆仕上げ、茶杓は時代色の出はじめた本象牙製です。

茶筅はまだ使用できそうですがそろそろ新しいもに替えた方がいいかもしれません。

12年前に手に入れたものですがその骨董屋さん曰く、茶箱と仕覆はお揃いながら

中身は前の持ち主の方が個々良いものをそろえて組み合わせているようだと言っていました。

 

茶箱寸法          抹茶碗寸法                            茶杓寸法

縦横:212㎜ x 145㎜     直径:120㎜         長さ:179㎜

高さ:128㎜                              高さ:67㎜

 

古裂仕覆に

仕舞われた茶箱

桐の茶箱

茶道具一式

白天目茶碗

茶碗地肌

 

 

振出

象牙茶杓

茶杓先


茶道具一式

煤けた木箱に前の持ち主の方好みと思われる合わせの茶道具一式が。

茶碗は丁寧に金継ぎされた李朝抹茶碗、

建水はアタリ凹みが幾つか見られる古い千家十職の中川浄益のもの。

茶杓は胡麻降り竹製、棗は小ぶりな漆塗りに四季柄の蒔絵もの。

柄杓は銅製の時代物のようです。

仲介の骨董屋さんがすでに紛失していた水差しの替わりにとして新しい染め付けのものを。

加えて茶筅をプレゼントしてくれました。

木箱の蓋には書き付けと署名が墨書きされています。

木箱の寸法

高さ :437mm

幅  :178mm

奥行き:175mm

 


李朝抹茶碗

 

 

 

 

錦絵棗

染め付け建水

 

 

茶碗見込みと金継ぎ

 

 

 

 

棗内部 

 

 

 

茶碗高台

 

おまけの新品茶筅

 

 

 

胡麻降り竹茶杓

 

 

 

 

銅製の杓

 

  

 



その他(Others)

 

銀小判形楊枝入れ 中川浄益造

千家十職の金物師中川浄益の銀製楊枝入れだそうです。

購入して10年以上棚に保管していましたので桐箱の中でも表面が若干黒ずんできていますがこれはすぐに銀磨きで元に戻るでしょう。

小判型の蓋を開けると内部の銀色は退色していませんでした。

蓋裏に2つの折り鶴彫られていました。

これが桐箱の双鶴の彫りでした。

前の持ち主のかたは実際にお使いだったようで楊枝もそのまま入っていました。